「含み益が出ているけど、どこで利確すればよいのか分からない。
そろそろ決済したいけど、まだまだ利益が伸びるかもしれない」
トレードをしていると、このような悩みは付き物です。
こんなとき、おすすめしたいのがフィボナッチエクスパンションを使ったテクニカル分析です。
フィボナッチエクスパンションを使えば、どこで利確をすればよいのか、その目安を教えてくれます。今回はフィボナッチエクスパンションの基本的な考え方や使い方について紹介していきます。
フィボナッチリトレースメントとの違い
フィボナッチと聞くと、フィボナッチリトレースメントを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
それだけフィボナッチリトレースメントを意識するトレーダーは多く、フィボナッチを使ったテクニカル指標の代表的な存在と言えるでしょう。
フィボナッチリトレースメントもフィボナッチエクスパンションも、どちらも「トレンドは波打ちながら進行する」性質から、値動きを予測するものです。
ですが、フィボナッチリトレースメントとフィボナッチエクスパンションでは予測できることが異なります。
フィボナッチリトレースメントで分かること⇒反発地点
フィボナッチリトレースメントでは、上昇トレンドの押し目や下落トレンドの戻り目を予測することができます。
トレンドと反対に動きはじめたとき、トレンドの起点と終点を結び合わせると、反発地点が分かりやすくなります。
チャートでは、38.2%ラインでローソク足が反発していることが分かります。トレードでは、押し目と判断できるので、買いのエントリーポイントになります。
〇フィボナッチリトレースメントで分かるトレードのポイント
① 押し目買いのポイント
②戻り目売りのポイント
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フィボナッチエクスパンションで分かること⇒反発地点からの値動き
フィボナッチエクスパンションを表示させると、反発地点から、どこまでトレンド方向に値動きが続くのかが分かります。フィボナッチエクスパンションのラインを引きながら確認してみましょう。
①起点⇒②終点⇒③反発地点の順番に線を引くと、フィボナッチ比率である38.2%、50%、61.8%、100%のラインが表示されます。
フィボナッチエクスパンションでは、フィボナッチ数列を使って利益確定ポイントを予測することができます。チャートでは、100%に到達したところで、ようやく価格が下がってきているので、ここを利益確定の決済ポイントとします。
今度は下落局面でフィボナッチエクスパンションを表示させてみましょう。下落局面では、高値を起点として安値を終点とします。
反発地点までラインを引いたら、フィボナッチエクスパンションの各ラインは、エントリーポイントよりも下に表示されます。
あとは、各ラインを目安に決済ポイントを探していけばOKです。ここでは、161.8%まで下落していることから、大きな利益を獲得できたことになります。
また、利益確定の決済ポイントを、逆張りのエントリーポイントと見ることもできます。上のチャートの場合、168%ラインで買いを仕掛けてもOKです。
〇フィボナッチエクスパンションで予測できること
① 順張りの利益確定ポイント
② 逆張りのエントリーポイント
鉄板のフィボナッチエクスパンション数値は?
フィボナッチ数列は多くのトレーダーが意識されるものでなければ意味がありません。50%は誰しもが意識しますが、例えば44.4%などという数値は誰も意識しないため、売買ポイントにはなりにくいでしょう。
フィボナッチ数列をトレーダー側が設定する必要はありません。多くのトレーダーが意識する数値は、あらかじめ取引ツールに組み込まれているので、トレンドの起点、終点、反発地点を見つけてラインを引ければ、後は自動的に重要なラインを表示してくれます。
重要ラインの中でも、フィボナッチエクスパンションで鉄板とも言える数値は以下の通りです。
・61.8%
・100%
・161.8%
この3つはフィボナッチエクスパンションを利用しているトレーダーが、特に意識している数値です。先ほどのチャートでも、100%と161.8%の数値が決済ポイントになっていました。
3つの黄金比率をしっかりと頭に入れておきましょう。
フィボナッチエクスパンションが効果を発揮する相場は?
どんなテクニカル分析にも、得意な相場と苦手な相場があります。誰もが知っている移動平均線でさえ、レンジ相場では効果を発揮させるのは困難です。
フィボナッチエクスパンションが効果を発揮しやすい相場には、2つの特徴があります。
上昇や下降がハッキリとしているトレンド相場
上昇と下降がハッキリしていなければ、そもそも押し目や戻り目のエントリーを上手に行うことができません。押し目だと思ってロングでエントリーしても、すぐに値下がりして結局損切りに・・・なんてことになってしまいがちです。
また、上手にエントリーできても、フィボナッチエクスパンションの38.2%や50%で失速して、利益を伸ばしていくことが難しい場合も多くなるでしょう。
上昇や下降がハッキリとしていれば、押し目や戻り目でエントリーを行いやすく、利益も伸ばしやすいでしょう。
高値と安値がハッキリしている
フィボナッチエクスパンションでは、起点⇒終点⇒反発地点の3か所を決めて、線を引かなければなりません。
線を引くには、高値と安値がハッキリとしている方が、3つのポイントが見つけやすいでしょう。チャートで見ると、綺麗にジグザクしているようなときが使いやすい相場です。
チャートの丸印は、起点や終点、また反発地点に設定することのポイントです。綺麗にジグザクしているので、高値と安値がハッキリしており、ポイントを見つけやすくなっていることが分かります。
今回はフィボナッチエクスパンションについて紹介しました。61.8%、100%、161.8%という数値を目安にどんどん利益を伸ばしていって下さい。
ただ、これらの数値はあくまで目安なので過信は禁物です。ファンダメンタルズ分析や他のテクニカル分析も行いながら、ここだというタイミングで利益を確定させましょう。