FXは勝ち組と負け組の2極化が激しい投資ですよね。
株式投資であればマーケット全体が成長していけば勝てる人も増えていくんですけど、FXはお金を奪い合う「ゼロサムゲーム」。本当に弱肉強食のシビアな世界なんです…。
そんな世界で生き残っていくためにはFXは「通貨の価値を取引するもの」という至極当たり前の認識を忘れないようにしていく必要があります。
「通貨の強弱」
これこそがFXの本質的なエッジと言っても良いのかなと考えています。
勝つための要素
- 確立された売買ルール
- マインド
- 相場観
- 資金管理
- 経験
勝つために必要な要因はこのようにたくさんあるんですが、この記事では「トレード対象を正しく理解しているか?」という観点から考えてみます。どういうことかというと、問題なのは日本人の初心者はドル円"だけ"を見てトレードしてしまっている人が多いということ。
「ん?????何が問題なの??????」と思った方はぜひ最後まで読んで下さい。少しはあなたの頭に刺激を与えられるかもしれません。
全世界のトレーダーが注目するメジャーカレンシー
メジャーカレンシーという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
世界に通貨はたくさんありますが、その中でも世界の貿易や金融取引で使われることの多い通貨のことです(あるいはキーカレンシーとか言うこともあります)。
メジャーカレンシー
- USD:米ドル
- EUR:ユーロ
- GBP:ポンド
- JPY:日本円
- CHF:スイスフラン
- CAD:カナダドル
- AUD:豪ドル
- NZD:NZドル
この8つの通貨が現在の為替市場で支配的な通貨となっています。上5つの通貨をメジャーカレンシーと呼ぶこともありますがそれほど気にしなくて良いです。
為替市場は相対的な価値で変動するため、これらの通貨がお互いに影響を与えつつ値を決めていくことになります。
ドル円とは一体何なのか?
ドル円というと100円/ドルとか表記されるわけですが、これってどのように出来ているのか、その構造や仕組みを考えたことはありますでしょうか?
ほとんどの初心者は考えたこともなく取引を行なっているはず。
考えなくても別にいいやと思うかもしれませんね。まぁ待ってください。為替の仕組みを知っているだけでFXチャートという景色の見え方が変わってくるんです。ここはグッと堪えて読み進めて下さい笑
このドル円のチャート、何を表しているかというと「ドルと円の価値を比べたもの」です。
「チャートの上がった下がった」は「どっちが強くなった、弱くなった」を視覚的に分かりやすく表示したものに過ぎません。
ドルが強くなると、それと比較して円は弱いということになり円安、つまりチャートの値は下がります。逆にドルが弱くなると、相対的に円が強くなり円高、つまりチャートの値は上がります。
当たり前…ですかね。ここでとりあえず知っておいてもらいたいことは、チャートは通貨の相対的な強弱をプロットしたものということです。これが重要。
通貨の強弱でお金の流れを見る
ドル円が上がったということは円が弱くなったのか?というとそれだけではありません。
①円が弱くなった
②ドルが強くなった
③円もドルも弱くなったけど円の方が大きく弱くなった
④円もドルも強くなったけど円の方が大きく強くなった
実はこの4パターンあります。
ということは、ドル円のチャートだけを見ていても、ドルが強くなったから円高になったのか?円が弱くなったから円高になったのか?はたまた両方強くなったのか、その要因がわからないということです。
じゃあ要因をどうやって特定するかが問題になるわけですが…。これはドル円だけを見てても一生わかりません。ここで出てくるのが先ほど説明したメジャーカレンシー。流通量が多く注目度が高い8通貨の動きに注意するということです。
ただ問題点があって、為替市場で取引できるのは必ずペアなので通貨単体の動きを見るのはちょっと工夫が必要です。私の知る限り通貨単体の動きを見る方法は2つ。
通貨単体の動きを見る方法
- Tradingview
- MT4のインジケーター
通貨の強弱を見る方法1|Tradingview
TradingViewでは「円インデックス」とか「ユーロインデックス」「豪ドルインデックス」とか主要な通貨単体の動きが見れます。めちゃ便利。
通貨の強弱を見る方法2|MT4のインジケーター
世の中には信じられないくらい頭が良い人がいて、通貨単体の動きをMT4で再現できるインジを開発しちゃう人もいます。
自分自身はMT4に慣れているのでこっちの方が圧倒的に観やすいです。MT4特有のインジも重ねられるのでテクニカル分析も捗ります。
いずれにしてもこのように通貨単体の動きを見ることで何がわかるかというと「お金の流れ」です。
これを見ればどの通貨からどの通貨へお金が流れているかが一目瞭然。ここにファンダ情報を乗っければどのくらいの勢いと期間、このお金の流れが続くのかが予測できます。
通貨の強弱をトレードに生かす
さて、我々は勉強するためにトレードしているのではありません。利益を得るためです。
ではこの通貨単体の動きをどうやってトレードに活かしていけば良いのでしょうか。
通貨の強弱を研究している人の多くはこのトレードへの活かし方がわからず挫折してしまいます。
私なりのトレードへの活かし方を2つ紹介していきます。
トレードへの活かし方
- 良い通貨ペアの選択
- 通貨の癖を理解する
通貨の強弱の使い方1|良い通貨ペアの選択
一番簡単なのは一番強い通貨を買って一番弱い通貨を売る。この通貨ペアの選択に使うことです。
逆にスプレッドが安いからドル円専門でいきたいという人はドルと円がそれぞれ同じような動きをしている時には静観。相反する動きをしている時にだけトレードするというような使い方ができます。
またこの図を再掲しますが、この4つの通貨の動きを見てどのようにトレードするのが優位性があるかわかりますでしょうか?
上昇トレンドにあるポンドと下降トレンドにある豪ドル。この2つの組み合わせであるGBP/AUDのロングポジションを取るのが効率良いというのがわかりますよね。
逆に日本円はMAの中に絡みついており方向感がはっきりしません。このような時に円絡みのトレードを行うのは得策ではないということです。
もちろん強弱はすぐ入れ替わったりするので、上位足の分析やプライスアクションを見ないといけませんが優位性の高いトレードプランを構築できるようになります。
テクニカル分析をするにしてもただ一つの通貨ペアを分析するよりは、通貨単体の動き自体に対してテクニカル分析を行う、または強い通貨と弱い通貨のペアに対してテクニカル分析を行うなど使い方は無限大。
色々なアイデアが湧いてくると思いますが、少なくともドル円と決め打ちしてテクニカル分析を行うよりは精度の高い分析ができるような気がしてきますよね。
一つの通貨に絞って、移動平均の数値設定だのRCIだのテクニカル分析に基づいた手法を紹介するブログやnoteが人気ですが、そんなのは小手先の付け焼き刃。たまたま現在の相場にあってるだけです。
通貨を取引するという原理原則を理解して使わなければ、テクニカル分析も無意味なんじゃないかなと思うわけです。
通貨の強弱の使い方2|通貨の癖を理解する
通貨単体の動きを見続けることで、通貨自体の特徴を理解することができます。各通貨がどんな時に強くなったり弱くなったりするのかを観察することで次に同じようなことが起きた時にいち早くポジションを取ることができるようになります。
みんかぶFXでは毎週「為替相場のまとめ」というコラムがアップされます。これは一週間の為替の動きをその理由とともにまとめてくれて、FXをしていく上で非常に良質な材料となります。
これを読みながら実際のチャートを見ていくことで、通貨の癖が知識として蓄積できます。
- 日本円はリスクオフで円高になる
- 豪ドルは中国指標と密接な関係にある
- 原油価格が上昇するとカナダドルが買われる
- 価格に大きく影響する経済指標
- 豪ドルは日本円が売られると買われる傾向
- 豪ドルとNZドルは似たような動きをする
- クロス円はリスクオン/オフで相場が動いてる時に取引しやすい
このように何となくわかっているけど、いざ取引すると忘れてしまうことに対して、だんだん反応できるようになってくるのです。
通貨の強弱を見る意義
FXで取引する通貨ペア。2つの通貨の強弱を見ることのエッジは何となくわかってもらえたでしょうか。ドル円だけを見ていては為替レートを取引する上で、その一部しか見えていないと言えます。
冒頭述べたように、FXはゼロサムゲーム。スプレッドがある分「マイナスサムゲーム」と言っても良いでしょう。そんな中で勝ち続けるには、他のトレーダーよりも優れた視点持つ必要があります。
一つの通貨ペアにテクニカル分析をして取引しているトレーダーはたくさんいます。そしてそのほとんどが負け組であることを考えれば、その思考に嵌っているのは危険じゃないでしょうか?
みんなが勝つことはあり得ないからこそ、「人の行く裏に道あり花の山」という投資格言があります。
自分が取引しているのがどんな商品で、どんな要因で動くのか?これも分からず勝てるのは一握りの天才。一つの通貨で十分勝てるという人は誇っていいです。尊敬します。天才ではないと思う人は考えましょう。少しでも使える武器を増やしましょう。
通貨の強弱手法1|中長期取引手法
最後に通貨の強弱を使った具体的なトレード手法についても紹介しておきたいと思います。
通貨の強弱を使った手法は一般的に長いスパンでの取引スタイルと思われがちですが、実は短期取引にも応用できる優れものです。
トレード手法
- 中長期取引手法
- 短期取引手法
まずは中長期取引手法について解説していきます。
経済指標から政策金利の動向を先読みする
通貨の強い弱いに一番影響を与える要因を知っているでしょうか?
色々な要因で為替は動くけど一番影響が強いのはズバリ「政策金利」です。景気の局面で上げ下げして市場への資金供給量を調整するものです。中学生の社会で習った記憶がある人も多いでしょう。
なぜ政策金利が為替レートに影響するかというと、簡単に言えば「お金は低い利率の通貨から高い利率の通貨に流れる」から。当たり前ですが、金利が高い先にお金を預けたいと思いますよね。
この政策金利の動向を抑えることこそが中長期取引のキモになります。
政策金利を決めているのは各国の中央銀行。この中央銀行をウォッチすることで中長期的なトレンドに乗れるトレードが可能になります。
各国の中央銀行
- 米ドル:連邦準備制度理事会(FRB)
- 日本円:日本銀行(BOJ)
- ユーロ:欧州中央銀行(ECB)
- ポンド:イングランド銀行(BOE)
- 豪ドル:オーストラリア準備銀行(RBA)
- NZドル:ニュージランド準備銀行(RBNZ)
- カナダドル:カナダ銀行(BOC)
- スイスフラン:スイス国立銀行(SNB)
例えばFRBが金利を上げることを示唆し、BOJは金利の引き下げを示唆した場合、ドルを買って円を売るというトレードをすれば中長期的には利益が出ます。
この金利を上げる下げるの示唆を中央銀行が行う前に先回りしてポジションを取っておくことが大きく利益を得る鍵となります。そのために各種経済指標を分析して、中央銀行の動向をチェックすることが必要不可欠です。
経済指標は文字どおり経済の状況を表す指標。指標の結果で金利にどんな影響を与えるのかという思惑が一気に織り込まれるため動きが激しくなります。
リスクオン/リスクオフでうまく立ち回る
ただこの大きなトレンドの中にも波があります。この金利が高いということはどういうことかというとリスクが高い、ということも意味します。
低い金利の通貨を売って高い金利の通貨を買うのは基本的な流れなんですが、世の中にナンチャラ危機とか突発事象があると、今度はリスクが高い通貨からリスクが低い通貨へ資金の還流が起きます。
金利が高い通貨が買われるのは投資家が好んでリスクを取りに行く時、つまり景気が良くてガンガン攻めるよ!というマインドになってる時。
逆にリスクが低い通貨へ資金の還流が起きるのは危ないからリスクを回避したい時。
これをリスクオン/リスクオフと言いますが、スイングで長期に保有している時に一時的にリスクオフの動きになった時は、もう少し短い時間軸でショートポジションを取ってヘッジするというのも一つの戦略です。
通貨の強弱手法2|短期取引手法
中長期的な取引手法では「政策金利差」のある方向にトレンドは動く特性を利用します。
この手法の問題点はポジションを保有する時間が長期に渡るため、資金効率が悪い点と、突発性リスクの影響を大きく受けやすい点です。まあスイングトレード全般に言える欠点ですけどね。
これを読んでいるトレーダーの大半はあまりスイングトレードに興味がなく、もっとアクティブに資金を回転させていきたいと考えている方が多いと思います。ぶっちゃけ僕もスイングに興味なかったですから笑
そんなトレーダーのために通貨の強弱を使った短期の取引手法を教えたいと思います。ここで紹介するトレード手法はデイトレにもスキャルピングにも応用可能です。
為替相場は通貨の相対的な価値を取引する以上、強い通貨を買って弱い通貨を売る、このシンプルな戦略がエッジになります。強弱がはっきり表れていない通貨ペアをいくら監視してもランダムに近い動きをするので、テクニカル分析が効くこともあれば効かないこともあるのです。
結果として勝ったり負けたり、プロスペクト理論に太刀打ちできず負ける金額が大きくなるというのが初心者が陥る罠です。Twitterを見ているとライントレードやオシレーターを使ったトレード手法が人気のようですが、トレード手法はエントリーポイントや損切りポイントを教えてくれるに過ぎず、優位性のあるトレードができるかどうかは通貨ペアの選択にかかっています。
相場は刻一刻とその姿を変えていきます。その中で生き残り続けるためにはインジケーターの数値いじりをしてカーブフィッティングをし続けてもダメ。通貨取引の原理原則である強弱を利用することで常に優位性を持った状態でトレードを行うことができます。
通貨の強弱を短期売買に利用するメリット
通貨の強弱を利用することで以下のようなメリットがあります。
メリット
- 非ランダム部分を自然と抽出できる
- 機会損失を抑えられる
メリット1|非ランダム部分を自然と抽出できる
為替マーケットは非常に効率的でランダムウォークに近い動きをします。ランダムからは収益を得られないため、勝ち続けるにはランダムではないところを見つける必要があります。
通貨の強弱はお金の流れを見る手法。巨額のお金が移動している流れに身を任せることで、ランダムではない潮流に乗ることができます。自然とトレンドをフォローすることになります。
”Trend is friend”という格言に逆らわないトレード手法です。
メリット2|機会損失を抑えられる
せっかく長い間パソコンの前に張り付いているのに、全然動かない。強引に入ってスプレッド負け…時間もお金も無駄にした。。
こんな経験はありませんか?
これは機関投資家や多くのトレーダーが注目していない通貨ペアを監視しているとよく見られる現象です。
通貨の強弱を利用することで動きやすいペアを特定することができます。エントリーチャンスが増えるので、機会損失を最小限に抑えられるのもこのトレード手法のメリットです。
通貨強弱の判定方法の基本
先ほど、TradingviewやKu-chartなどで通貨単体の動きを捉える方法をご紹介しましたが、ここではもっと単純に移動平均線を使って通貨強弱判定を行なっていきます。
見方は単純で、時間足の移動平均線(SMA)120の上に値があるか下に値があるかで判断します。時間足は1日24本作られますから120は5日間の平均、つまり1週間を表します。5日間平均より値が上にあれば強く、下にあれば弱いと考えます。
以下の例では、SMA120よりローソクが下にあるので、USDよりJPYが強いです。
通貨強弱の判定方法
通貨ペアに対しどちらが強いか弱いかの判断方法はご理解いただけたでしょうか。MT4のチャートを以下のように並べてUSD/JPY/EUR/GBP/CHFの力関係を把握しやすくします。
並べて見ると強弱関係は、JPY > USD > CHF > GBP > EURとなり、日本円を買ってユーロを売るのが効率良いことがわかります。
通貨ペア決定後の売買戦略
上記方法で通貨ペアを決定した後は、その流れに逆らわないようにトレードをしていきます。先ほどの例では、EUR/JPYをショート目線で見ていきます。
ここのエントリーの仕方は慣れているテクニカルを使ってエントリーポイントと損切りポイントを決めてもらって問題ありません。優位性のある方向へのトレードなので、これだけで負ける確率は相当少なくなるはずです。
とはいえ、通貨の強弱は頻繁に入れ替わることもあるので、移動平均を使った強弱だけでは少し心許ないです。リスクオン/リスクオフ、各国の金融政策、経済指標、要人発言などのファンダ情報やプライスアクションを組み合わせることで、これから強くなる通貨、弱くなる通貨を予測することができ、より良いポジションを取ることができます。
トレード例(通貨判定)
少し小さいかもしれませんが、赤い縦線を引いたところが2020/4/17の日本時間16時です。この時の強弱はEURが一番弱く、JPYが一番強い通貨です。そのため、EURJPYをショート目線で見ていきます。時間足から5分や1分の短期足に切り替えます。
こちらがEURJPYの1分足です。今度詳しく別の機会で説明したいと思いますが、僕は重回帰分析を用いたテクニカルを愛用してます。
「真のトレンドライン」と呼ばれる移動平均線になります。使っているのはTriggerlineというインジとLRLというインジ。
トレード手法は溢れていると思うので、自分に合うショートサインでエントリーすれば良いです。
トレードの注意点
通貨の強弱を利用したトレードをする際には以下の点を注意しましょう。
注意点1|東京はトレンドが出にくいので避けるのがベター
東京市場はレンジになりやすいという性質があります。通貨の強弱がはっきり出てくるのは欧州オープン以降ですので、東京時間は取引しないのがベターです。
注意点2|エントリー手法は別に用意する必要がある
通貨の強弱はざっくりと売買すべき方向性を示してくれるものの、ピンポイントでの売買ポイントは教えてくれません。そのため、テクニカル分析などの手法を用いて、エントリータイミングや利確ポイントは別途用意する必要があります。
注意点3|時間足だけでなく日足にも注意
時間足での強弱が基本になりますが、注意したいのが、日足の強弱。強弱が出ている中にも押し目は存在します。日足レベルで見れば単なる戻りでも時間足レベルで見るとトレンドと見間違えてしまうことがあります。そのため、日足レベルの強弱と時間足レベルの強弱が一致した時にのみ取引するとさらに勝率やリスクリワード比率は大きくなります。
通貨の強弱まとめ
この記事では、一つのチャートだけで判断することの危険性、そして少しでも危険を回避しリスクを抑えて取引をするために、マーケットで流通量の比較的多い主要通貨である米ドル、ユーロ、日本円、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、英ポンドの8通貨の相互的な流れに注意を払うべきという内容を解説してきました。
中には「うーん…なんかピンとこなかった」と言う人も多いかもしれません。ただ、通貨強弱を使った通貨ペアの選択というのはFXにおいて間違いなくエッジですし、あなたのトレードの一つの武器になれば幸いです。
FXを勉強しても、意外とみんな意識しないポイントだと思います。しっかりと身に付ければ売買の方向性に迷いがなくなるでしょう。また、大きな流れに逆らわないので、多少エントリーポイントが甘かったとしても大きなダメージを喰らうことは少なくなるはず。
FX初心者にはかなりハイレベルな内容だったと思いますが、FXで負け組から勝ち組に転向するためには、それなりに次元の高い思考が求められるものです。
ドル円が円安トレンドの時に、安易にドル高円安だと決めつけるのではなく、ドルが本当に強いかどうかはドル円のチャートだけでは判断できないし、円が本当に弱いかどうかも、また同様に一枚のチャートで判断できるものではありません。
ドルの本質的な強さを見極めるなら少なくとも、ドル円・ユーロドル・ポンドドル・カナダドルなど、4枚くらいのチャートで判断するべきです。ドルが本当に強いのなら、ブレイクアウトが発生する可能性や、テクニカル分析の有効性に多少ながらプラスの効果を見いだせます。
最終的に、チャートを複数枚眺めることでマーケットのお金の流れが「見える」ようになれば勝ち組の一歩手前に来ているということになるので、FXで勝ちたいなら常日頃から8通貨の動きに注意を払うことは極めて重要だと考えています。