FXで1日にどれくらいのPipsを取るのがベストなのか【デイトレしたいFX初心者必見】

初心者トレーダーや負け組トレーダーによくある傾向が、月に1000pipsを抜く、FXで月に20万稼ぐ、といった早とちりした目標設定です。

FXは短期的視野で挑むのは危険です。

中長期的な視野で、計画に基づいて淡々とやるべき事ですが、これが意外と難しい。

そこで、1日にどれだけのPips(利益)を抜くことができればベストなのか、ということを考えていきたいと思います。

1日で取れるPipsを自分なりに決めておくと、焦らずに計画的なトレードを行いやすいですし、焦っていないから精神的にも他のトレーダーに対して優位な立場に立つことも可能です。

FXで抜くことができるPipsは実力に依存する

スキャルピングで月1000pips目指す!というのはよく聞く話ですが、実際のところ月1000pipsの利益を得るのは相当に難しいです。そもそもFXに参加している人の9割が負けているという現実があります。1年間でマイナスにならず、プラスマイナスゼロの収支になるだけで、上位5%に食い込むのです。

資金をほとんど減らさずに生き残るだけでもFXの世界ではすごい事なのに、いきなり月1000pipsは言い過ぎではないでしょうか。確かに、FXには少なからず初心者にも関わらず短期間で資金を一気に増やすトレーダーは存在します。しかし、相場はもともとランダムな傾向が強いため、そういった短期間で一気に勝つトレーダーは単に運がいいだけです。

中長期的にトレードを続けていくと、そういった圧倒的に勝っていたトレーダーがあっさりと退場したり、大幅な損失を出して撤退したりします。なぜか?理由は簡単でFXで得られる利益は純粋にトレーダーの実力に比例してしまうからです。短期間で見れば「運」の要素で勝つトレーダーは確かにいます。

しかし、中長期的にトレードを繰り返して母数を増やして見ると、勝ち残る・・言い換えれば勝ち続けるトレーダーは本当にごくわずかしかいません。母数を大量にとって「運」や「確率」の要素を少なくしていくと、最終的に勝てるトレーダーには相応の実力が必要だということになります。

実力が無いのに、自分の実力以上の目標を立てて、それを愚直にクリアしようとすると間違いなく焦ったり、強迫観念に駆られたりして、トレードで勝つために重要なメンタル面で優位な立場を失ってしまう。メンタルが欠如するとどうなるのか?

メンタルが欠如すると…

  1. 計画通りのトレードができない
  2. 計画になかったトレードを「つい」やってしまう
  3. 目標を達成しようと過剰なエントリー行う
  4. 実力を超えた難しいトレードを行ってしまう

おそらく実際に経験した人もいると思います。僕自身もFXの世界に入ってきた頃はひどかったです。毎日のように100pips以上の利益を求めて、ポンド円といったボラティリティの大きい通貨ペアで明らかに実力にそぐわない無茶なトレードを繰り返していました。

40pips抜いたら安堵し、20pipsの損失を負ったら目標から遠ざかるので焦ってしまって、どうでもいいトレードをついついやってしまう。この冷静さを失う現象は、トレードで生き残る上で絶対に大きな障害になるため、実力に合った目標設定をしたほうが良いです。

なお、どうでもいいトレードを繰り返してしまう。そしてそのことを自覚しているにもかかわらず直せないで苦労している人は、以下のアプローチでポジポジ病を先に解消したほうが良い結果につながります。着実な利益を狙う上で、ポジポジ病は致命的な病です。

⇒⇒分かっているのに治せないポジポジ病を、心のすり替えで治す方法

 

デイトレで1日何pips得られるかを考える

区切りがよく説明がしやすいので、その日のうちにポジションを決済するデイトレを前提に目標Pipsを考えてみます

さっそくですが、以下のグラフを見てみてください。

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これはドル円の2000年1月~2020年12月までの日足5,448本分の値動きの統計です。1日のうちにドル円はどれくらい動く傾向にあるのかを、簡単に調べたものです。当日の高値から安値を引いてボラティリティを計算しています。

このグラフを見る限り、ドル円はそれなりの頻度で1日に100pips以上動いているように見えますが、実際にIF関数を使って、100pipsを超えた回数をカウントすると、1,912回と出ました。

この20年間(5,448本)のうち、1,912本が100pips超え。確率的には35.10%であり、3日に1回は100pips以上の値動きがドル円には発生しているようです。そして、5,448本の平均値動きは93.3pipsでした。

つまり、ドル円をデイトレードする場合はポジションを持つ回数にもよりますが、平均値動きの93pips以上を取るには相当の実力がなければ厳しいということになると思いませんか。1日の値動きに対して、今の自分の実力なら平均値動きの何割を利益として引き出せるのか

この点をよく考えることで、非現実的な目標設定をする可能性がかなり低くなる。少なくとも、ドル円だけで月1000pipsは容易ではないということ、くらいは理解できるはずだ。

勝ち組に対する幻想

初心者や負け組トレーダーは、ついつい勝ち組トレーダーに対して一種の幻想を抱いてしまう。

例えば、毎日のように100pips以上の収益を出し続けている常勝トレーダーといった。

確かにマーケットの魔術師にはマーク・ワインスタインのような圧倒的な勝率を誇る、まさに幻想のようなトレーダーも実在しますが、僕も含む凡人が目標にするにはあまりにも非現実的です。確かに、毎日のように利益を上げているトレーダーの姿はクールだし、カッコいいと感じます。

しかし、FXの相場はランダムウォークにきわめて近い形をした限りなくランダムな世界であり、そこから見つけ出せるエッジ(優位性)も本当に限られています。ましてや、今負けているということは、そのエッジすら見いだせていないということです。

エッジを見つけている勝ち組ですら、毎日のように圧勝しているトレーダーはほとんどいません。ドローダウンを抱えることもあるし、頼りにしていたエッジが消えてしまって利益率が落ちることもあります。幻想を捨てて、自分の持っているエッジと実力から考えられる現実的な目標設定をするべきです。

デイトレなら1日の平均値動きの2~4割も取れれば上出来

ドル円はこの20年間で平均93pipsの値動きでした。ということは、そのうちの10~20%(9.3pips~18.6pips)を引き出せれば十分だと思います。これを聞いて1日にたったのそれだけの利益で満足して良いのか?と思う人もいるでしょう。

僕もそうでした。ポンド円で過剰なpipsを求めていた当時の僕なら、間違いなく拒絶反応を起こしたと思います。しかし、実際に1日10~20pipsを目標にしてトレードを続けていけば、自ずと気付いてきます。意外と難しいという現実に。

まず、最大でも20pipsがその日のうちの利確の限度だという前提でトレードすると、取るべきリスク(損切り)はリスクリワードレシオを考えると、せいぜい10pips・・もう少し大きくとっても15pipsが限界でしょう。では、損切りが10pips程度で済みそうで、かつ20pipsの利益を狙える局面を狙っていかなければならない。

これを実際にやってみると本当に難しいと気付くはず。月1000pipsなど、夢のまた夢です。確かに探せば1日で50~70pipsを取り、月に500~1000pips以上の利益を出すトレーダーは見つかるでしょう。だが、彼らには彼らなりのエッジと、そのエッジを最大限活かすメンタルと資金管理が組み合わさっています。

簡単に言えば、現在負けているトレーダーが真似できる芸当ではありません。まずは自分が取引している通貨ペアの平均値動きを出して、そのうちの何割なら取れるのかを考える。現実的な目標値を見つけたら、その目標を実現するために、最大限エントリーを吟味し、的確に利確を行う。

1日20pipsを比較的高い確率で実現するにはどうすれば良いのか。これを計画として文章化しておくのを有効だと思う。

トレードプラン例

  1. 月曜日は朝5時から週明けギャップを狙い、20pips以上の窓が空いたら損切りを半額にしてエントリー
  2. 流動性の少ないアジア時間は積極的に参加せず、欧州勢の参加による相場の転換を狙ったりする

あまり具体的ではないが、このように自分が狙いに行くところを明確にしておくとトレードしやすい。トレードで最も無駄な損失を出すのは、言うまでも無く無駄なエントリーだ。これを排除するだけでも一気にその日の目標pipsを実現させやすくなる。

1日10~20pipsでちまちまやってて良いんですか?

確かに1日10~20pipsと聞くと、地味な印象を受けるでしょう。事実、この目標設定は地味です。しかし、この目標を達成していくとなると、それなりに難しいし、間違いなく相場に参加している平均的なトレーダーよりも優位な立場にいる必要があります。

例えば、損切りを先延ばしにして50pipsの損切りをしたらどうでしょう。一気に1日あたり10~20pipsという目標の達成が遠のくのが分かります。このちまちました目標ですら、達成するのは意外と難しいのが現実なんです。だが、この目標を突破することの意義はとても大きいです。

獲得pips

初期資金が10万円だとしましょう。1回のトレードに掛けるロットは10万通貨で1ヶ月、毎日着実に0~20pipsという小さな利益を積み重ねていくと、1ヶ月で資金は3~4倍に膨れ上がります。これを見てもまだ「ちまちま」とした目標に感じるでしょうか。

※資金が10万円で、10万通貨を建てるのはレバレッジがおかしいし、リスクを取り過ぎだというツッコミは置いておきます。

たとえ1回のトレードが5万通貨であっても、1日10~20pipsという目標を達成していくことで月に10万円という利益を残すことが可能です。pipsだけを聞くと地味に聞こえた目標も、リアルな金額をイメージするととたんに悪く無いと思えるようになってきます。

もちろん、リアルな金額をイメージしすぎるのは毒。目先の利益にかられて無駄なエントリーをして、そこから生まれる無駄な損切りによって計画的なトレードを実行できなくなってしまいます。

複利 獲得pips

さっきのグラフは単利計算で、常に同じロットでトレードを続けることを前提としています。しかし、資金の増減に合わせてロットを増やす、複利計算で月間収益を計算すると、とんでもないことになります。資金が1ヶ月で15~30倍にも膨れ上がる

ただ、ロットが増えれば増えるほど、動く損益が大きくなります。心がそのロットに完全に慣れるまでは、無理にロットを引き上げるのは避けたほう良いでしょう。

1日に10~20pipsを50%以上の確率で出せるようにする

今、トータルで負けていて継続的に利益を出せないと悩んでいるトレーダーは、まずは1日10pips程度でもいいから、着実な利益を重ねられるように練習するのがベストだろう。1日に50~100pipsを日常的に出せるトレーダーは、それなりのエッジを持っているし、メンタル面も確率的思考などで武装されている。

そして、1日に10~20pipsを安定して狙うにも、やはりそれなりのエッジは必要です。この小さな利益の積み重ねを着実にできるようになることは、トレードスキルの向上に確実に貢献します。1日あたり平均して10pipsの利益も残せないような状態で、1日50pips(月間1000pips)を狙うのは到底無理な話です。

1日10~20pipsを狙うアプローチとしては、いかにしてリスクを限定したエントリーができるか。この点が非常に重要です。

1日10~20pipsを着実に狙うには、極力無駄なエントリーを削減して、エントリーした後に上手く伸びて、ダメだった場合でも損失ゼロで済むようなトレードが最適だと考えています。

狙うべき部分と、やってはいけないエントリー

4-5

明確なエッジを持っていなくても、狙うべきではないエントリーとは言うのはある程度決まっています。

例えば、このようにチャートが走ってから「乗り遅れたくない」と焦って乗ろうとするエントリー。往々にして大して伸びずに損切りをさせられます。

5-5

相場が走っても焦らずに機会を待つべきです

このように、利益確定が出て相場が一時的に戻るような部分で仕掛ければ、損切りを抑えてエントリーできます。

6-5

指標発表前の静かな相場を狙うのも戦略としてはありでしょう。

指標前はレンジ相場が形成される通貨ペアがあり、そういった通貨ペアを狙って逆張りトレードをコツコツと指標発表までに繰り返して、10~20pipsを重ねれば良いです。

1日に取るべきpipsの考え方まとめ

月1000pipsを狙うには、相応のエッジに基づく戦略や、それらの戦略を計画通りに運ぶメンタルと資金管理が必要となります。これは今負けているトレーダーや初心者が真似すべき目標ではないのは明らかです。

そこで、自分がメインに取引している通貨ペアの日足データから値動きの平均値を出す。一般的にデイトレであれば、1日の値動きの100%を取り切るのは極めて困難です。現実的に見れば、まずは10~20%程度を目安にしたほうが良い。ドル円だと、10~20pipsほどになります。

1日にたったの20pipsと思うかもしれませんが、実際に1日10~20pipsを着実に狙った場合の1ヶ月あたりのシュミレーションでは、十分な利益になることは理解できたと思います。

いきなり大きな値動きを狙おうとしなくても、ちょっとした戻りを売ってみたり、レンジ相場の押し目を逆張りするなどして、少ない利益を着実に重ねる練習をした方が良いです

そうすればトレードの技術は少しずつ身につくし、技術が上がってくるとだんだんと狙える値動きというのが僅かだが分かるようになります。

今、継続的に勝てずに悩んでいるトレーダーは、実現が可能な目標設定を立てて、それを愚直に守るトレードを始めるのをおすすめします。

※この記事はネットの海に沈んだ有益な情報を再構成した上で公開しています。

 

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