- 国内FXと海外FXの確定申告の違い
- 海外FXのボーナスが確定申告の対象になるかどうか
- 絶対に抑えておきたい節税方法
FXで利益が出た場合、当然ですが確定申告をする必要があります。
しかし、確定申告と一口にいっても、国内FXと海外FXでは確定申告の方法が異なることをあなたはご存知でしょうか?
また、海外FXは豪華なボーナスで有名ですが、このボーナスが確定申告の対象となるのかどうかを迷ってる方も多いかと思います。
そこで、今回は海外FXの確定申告について詳しく説明します。
国内FXと海外FXの確定申告の違いについて
海外FXのボーナスの処理方法について説明する前に、まずは国内FXと海外FXの確定申告の違いについてしっかり理解しましょう。
確定申告と一口にいっても、処理の仕方によって税金額に大きな違いが出ます。
脱税はいけませんがしっかり節税をして手元にお金をしっかり残しましょう。
国内FXの確定申告の特徴について
国内FXの確定申告の特徴について3つに分けて説明します。
国内FXの確定申告の特徴
1.国内FXの所得の種類と税率
2.損益通算
3.繰越控除
それでは、上記の3点について1つずつわかりやすく説明していきますね。
1国内FXの所得の種類と税率
国内FXで出た利益は、雑所得に該当し申告分離課税の対象です。
所得税は、大きく分けると総合課税と分離課税に分かれます。
総合課税とはその名の通り、対象となるすべての所得を加算してその合計金額に対し課税する方法のことです。
一方、分離課税とは、他の所得と合算せずに所得ごとに決められた税率で課税される方法になります。
分離課税はさらに2つに分かれ、源泉分離課税と申告分離課税の2つあります。
源泉分離課税とは、預貯金の利息等に適用される課税方式です。
あらかじめ税金が引かれて残りの金額が手元に入るため、特に確定申告する必要はありません。
一方、申告分離課税は、あらかじめ税金が引かれないので確定申告する必要がある課税方式になります。
申告分離課税が適用されるのは、国内FXの利益や株式の利益などです。
国内FXの利益に適用される税率は、株式や投資信託等の利益に適用される税率と一緒で、一律20.315%の税率が適用されます。
国内FXで出た利益は一律20.315%の税率なのでどんなに利益が少なくても20.315%の税率が適用されますしどんなに利益が多くても20.315%の税率が適用されるのです。
つまり、利益が少ない場合、総合課税に比べると不利になってしまうので注意が必要です。
2損益通算
損益通算とは、他の利益と損失をぶつけることができることです。
例えば先物取引で100万円利益が出てFXで50万円の損失が出たとします。
この場合、確定申告することによって先物取引の100万円の利益とFXの50万円の損失をぶつけることが可能です。
国内FXは、この損益通算の対象になっているのですが、注意点もあります。
それは株式や投資信託などの損益と損益通算はできないことです。
国内FXで損益通算できるのはFXや先物取引などに限定されますので注意してくださいね。
3繰越控除
国内FXは3年間繰越控除することができます。
例えば
1年目…100万円の損失
2年目…100万円の損失
3年目…200万円の利益
この場合、1年目・2年目の損失を繰り越すことができるので3年目の200万円の利益はゼロになります。(-100万円-100万円+200万円=0円)
繰越控除ができないと、3年目に出た利益200万円に対し20.315%の税金がかかってきますので繰越控除ができる事は大きなメリットでしょう。
海外FXの確定申告の特徴について
海外FXの確定申告の特徴について3つに分けて説明します。
国内FXの確定申告の特徴
1.海外FXの所得の種類と税率
2.損益通算
3.繰越控除
それでは、海外FXの確定申告の特徴について1つずつわかりやすくご説明していきますね。
1海外FXの所得の種類と税率
海外FXの所得は、国内FXの所得と同様、雑所得に該当しますが、国内FXと違い総合課税の対象になります。
海外FXの所得は総合課税なので、給料などの他の所得と合算してその合算額に対して税率が決まることになります。
総合課税の税率は、住民税と合わせて10%から55%です。
総合課税の税率は以下の表のようになっています。
<所得税>
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税に加えて住民税がかかるので所得の合計額が330万円を超えると国内FXよりも高い税率が適用されることになります。
330万円も利益は出ないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、給料などと合算しての金額になりますので意外と簡単に超えてしまう方が多いと思いますので注意してください。
2損益通算
海外FXは、海外FX業者の損益のみ損益通算することができます。
国内FXのように、先物取引などと損益通算することはできませんので注意してください。
意外と給料などと損益通算できると思われている方が多いことです。
しかし、給料と海外FXの所得である雑所得は所得の種類が異なるため損益通算の対象になりませんので注意してくださいね。
3繰越控除
海外FXでは、繰越控除は一切行うことができません。
損失を繰り延べることができない事は海外FXの税制の大きなデメリットといえるでしょう。
国内FXと海外FXの確定申告比較表
国内FXと海外FXの税金の違いについてご理解いただけたでしょうか?
文字だけだと分かりづらいと思いますのでひと目見てぱっとわかる国内FXと海外FXの確定申告比較表についてまとめましたのでぜひ参考にしてくださいね。
国内FX | 海外FX | |
所得の種類 | 雑所得(申告分離課税) | 雑所得(総合課税) |
損益通算 | できる(FX・先物など) | できる(海外FX業者同士のみ) |
繰越損失 | できる(3年間) | できない |
海外FXのボーナスは確定申告の対象になる!
海外FXといえばボーナスが豪華なことで有名ですよね。
口座を作っただけでキャッシュバックを受けることができたり、入金額と同額をボーナスとして受け取ることができるキャンペーンを行っている海外FX業者も多いです。
入金額と同額をボーナスとして受け取ることができるとは、例えば100,000円入金した場合、100,000円ボーナスとして受け取ることができますので合計200,000円でFX取引をすることができるということです。
では肝心のこのボーナスが、利益としてみなされるかどうかですが、利益としてみなされます。
つまり確定申告を行う必要があるのです。
ボーナスの所得の種類は、雑所得もしくは一時所得になります。
明確に税務署が雑所得・一時所得のどちらに該当するか見解を出していないので、雑所得もしくは一時所得どちらで申告しても一般的には問題ないはずです。
では、一時所得と雑所得どちらがお得なのでしょうか?
ズバリお得なのは一時所得になります。
なぜなら一時所得には控除があるからですね。
一時所得は、以下のように計算されます。
(総収入金額-収入を得るために要した費用-50万円)×2分の1
一時所得には、50万円の控除があり、さらに所得を半分にすることができます。
明らかに雑所得よりも有利な所得になりますので、海外FXのボーナスを受け取った際は、一時所得を選ぶようにしましょう。
絶対に抑えておきたい海外FXのボーナスの節税方法について
お得な海外FXのボーナスですが、利益としてみなされて税金がかかってくるのはきついですよね。
しかし海外FXのボーナスを使った節税方法もありますのでぜひ参考にしてみてください。
ズバリ海外FXのボーナスを使った節税方法とは、ボーナスを使って出た損失を損益通算に使う事です。
例えば、海外FX会社Aで300万円の利益が出たとします。
海外FX会社Bで以下のような取引をしたとしましょう。
入金額:100万円
ボーナス:100万円
損失:200万円
上記の例では、海外FX業者Bに100万円入金し、(ボーナスを100万円)合計200万円でトレードして200万円損失を出してしまいました。
200万円の損失が出ていますが、ボーナスで100万もらっているので、実質の損失は、入金した100万円となります。
しかし、ボーナス分を損失として計上してはいけないということは税務署から明確に指示は出ていないので、このケースの場合、200万円を損失として計上することが出来ます。
海外FX会社同士であれば損益通算することができますのでこのケースの場合、海外FX会社Aで出た利益300万円から200万円を引くことができます。
ボーナス分を損失として計上しない場合、100万円しか引くことができませんので大きな違いになることは明確です。
このように、ボーナス分を損失として計上すれば、大きな節税効果があるのです。
ただしこの方法は、今後禁止される可能性がありますので注意するようにしてくださいね。
海外FXの確定申告まとめ
今回は、海外FXの確定申告について詳しく説明しました。
特に海外FXのボーナスについては、しっかり理解されていない方が多い方が多いので詳しく説明させていただきました。(管理人も最初はちゃんと理解していませんでした・・)
今回の記事を参考に海外FXでボーナスを受け取った際は、戦略的に確定申告するようにしていただければ幸いです。