FXで稼ぐために勉強をしても、思いの外結果が出てこない。勉強をやっているけれど自分の勉強法が正しいのか不安になってきてしまった・・。
FXを始めて半年くらい経って、勉強の重要性に気付いたのは良いのですが、肝心のFXにおける勉強の方法について正しい理解が無い人が多いようだ。
FXに限らず、受験勉強でもそうだが勉強には、ほんのひとつの工夫をするだけで圧倒的に効率が良くなる勉強法がある。この記事ではFXの勉強効率を高める工夫について解説する。
最高のFX勉強法はアウトプットすること
FXの勉強効率を高めるたったひとつの工夫とは単に自分が学んだことをアウトプットするだけ。勉強後にアウトプットをやることで、格段に勉強の効率は上がる。
例として極端な話をするとアウトプットをしないトレーダーは以下の様な人だ。
「なるほど、移動平均が互いにクロスしたらエントリーのサインなんだ。」
「・・・。」
このように、ただ情報を得ただけでそこから何も発展させない人は、厳しいようですがFXではまず勝てるようにもなりませんし土俵に立つことも出来ません。
何かしら情報を得た時に、そこからなんでも良いのでアクションを起こすべきでしょう。Twitterのアカウントがあるなら移動平均のクロスで勝てるらしい、さっそく検証だ。くらいはつぶやくべきだろう。
僕だったら移動平均のクロスがエントリーのサインという情報を得たら以下のように考えていく。
「なるほど、移動平均が互いにクロスしたらエントリーのサインなのか。」
「・・・。」
「なぜ、移動平均がクロスしたらエントリーしても良いサインなんだ。その根拠は何なんだ。本には書いていない。Excelで自分で考えるか・・。」
「Excelで色々と試した結果、短期のトレーダーと中期のトレーダーの方向転換と決済行動がぶつかり合って、買いと売りの玉が反転するからだ。」
「しかし、チャートに移動平均を表示させるとクロスが機能しないこともある。これは設定した期間が想定しているトレーダー以外の別の行動によって周期性が変化しているからだろう。」
と、このように色々と自分なりの考えをまとめていくんです。僕はこのテクニカル分析で勝てるよと言われても、99%真に受けません。絶対になんでそれで勝てるのかを考えます。
Excelやチャートの検証でそのテクニカル分析の特徴を出して、そこから考えられる勝てる理由や負ける理由をまとめて、そして仕上げに文章化します。
文章化というアウトプットは恐ろしく効率が良い
学んだこと、得た情報を自分なりに整理して「しみじみと理解できた。」と思えたら、次は文章に自分に落とし込んだ考え方を書き起こしていきます。この作業はかなり脳を使う。
例えば、最近の記事で僕は移動平均のクロスについて自分なりの解釈を公開したが、あれも文章化の一環です。書き上げるのに10時間ほど掛かっています。理由は単純で、自分の理解度が低かったからです。
人間は面白いもので理解していると思っていることの90%は「思い込み」に過ぎません。殆どのことは理解していないのです。だから他人から説明しろと言われた時に初めて。
「あれ、説明できないぞ。実は理解できていないんじゃないか。」
と、気付くわけですね。10時間も文章化に時間がかかったのは、僕自身が理解していると思い込んでいて実は理解していなかったためです。だが、10時間もかけて文章化する過程で、再び「しみじみと理解できた」。
人間は受け身の姿勢で、ただ聞いたこと見たこと読んだことの情報の90%を記憶することが出来ません。下のピラミッドがそれを表す図です。
ラーニングピラミッドと呼ばれるもので、下層ほど学習の定着度が高いことを表している。上から順番に見ていこう。
- Lecture(講義を受ける) 5%
- Reading(書籍や資料を読む) 10%
- Audiovisual(ビデオや動画で学ぶ) 20%
- Demonstration(実演やセミナーを見る) 30%
- Discussion Group(他者と議論する) 50%
- Practice Doing(実践による経験、練習) 75%
- Teaching Others(他者に学んだことを解説する) 90%
つまり、ただ本や商材を読むだけで勝てると思っている人はかなり痛い勘違いをしていることになる。人間は受け身で学んだことのほとんどを記憶しないし、理解できない。
やはり理解して自分の中に落としこむ作業はコストが掛かるのである。移動平均一つとっても、Excelで様々なデータで検証し、デモトレードで挙動を確認したりしてPractice Doing(実践・検証)を行う。
それからようやく自分なりの理解や解釈が出来上がったら、それを更に意識するために他人に丁寧に説明するつもりで文章化する。すると、少しでも分かりづらいところは更に理解する必要があるため、必然的に理解度が上がっていく。
FXの勉強法にぜひ取り入れたい、たったひとつの工夫とは、このTeaching Othersである。しかも、本気でアウトプットをすれば「それは違うのでは、なぜならこのような反論(反証)が考えられる。」といった、貴重な意見を得られる可能性すらある。
アウトプットは絶対におすすめです。同じ本を10時間読むのも良いかもしれないが、読んで学んだ分だけ記憶の定着度と理解度を引き上げるために、1~2時間でもいいのでアウトプット(文章化)しておきたいところだ。
FXで勝つために、どのような勉強をするべきか?
勉強法の次に、FXで勝つためにどのような勉強をするべきか。言い換えれば、どんな本を読めば良いですかという質問であろう。残念ながら、この問には明確な答えはない。
自分がどの程度のレベルを求めているかによる。年間で5~10%程度の利益を狙うのなら、ある程度絞れるが、もしもデイトレで継続的な利益を求めるのであれば、半端の無い学習量が必要になると思います。
リンク先の記事ではFXで勝つために必要な3つの要素を解説していますが、FXで勝つために学ぶべきことはその3つの要素に関わる本。ということになると思います。3つの要素とは・・。
- 手法(Method)
- メンタル(Mental)
- 資金管理(Money)
初心者によくある勘違いが手法さえあれば勝てるという考えですが、残念ながら手法だけがあっても継続的に勝つことは出来ない。ましてや、デイトレで安定して利益を出したいと思うなら、手法だけでは厳しい。
上記の3つを学ぶためにトレードの専門書以外の本にも手を出す必要があるでしょう。なお、学習に商材を使うのは良いのかということだが、これも個人の考えの問題だと思っています。
手法、メンタル、資金管理の3つの要素を体系的かつ圧倒的な情報量を提供してくれる商材なら問題はないと思いますが、そのような商材を探すのは砂漠から針を探す作業に近い・・。
特にデイトレで利益を挙げ続けるという能力は非常にハイレベルな力であり、3つの要素を学んだ上で、更に自分なりに消化して自分なりの「トレードスタイル」を確立する必要が出てくる。
この自分なりのトレードスタイルに至るまでの道はそう短くはなく、どちらかと言えば茨の道です。特に手法は難解で、メンタル・資金管理にはある程度明確な答えがあるのですが、手法に至ってはそうはいかない。
良い手法を見つけてもそれが自分の性格に合致しない場合は、手法に自分を適応化させる作業も必要になるし、勝てそうだと思っていた手法が期間限定の手法で半年ほどで有効性が消えてしまった、なんてこともある。
「すべての可能性を試した果てにあるもの」
by 梅原大吾
FXで勝ち続けるということは、プロゲーマーのウメハラさんが言うように、本当にすべての可能性を試した果てにあるものだと思う。圧倒的なトライアンドエラーが求められる。
勝てるようになったから別に勉強をやめてもいいや、なんて楽な世界ではないし、勝てるようになった後も相場の変化に淘汰されないように、常に自分をブラッシュアップしていく必要があるだろう。
僕自身もFX歴はたかが3年弱だ。すべての可能性を試したとはまだまだ思えない。検証しようと思いつつも手が回っていないアイディアもある。英語力の低さが原因で積読になっている論文もある。
逆に言えば「まだまだやれることがこれだけある。どこかに何かしらの糸口があるはずだ。」という前向き姿勢で勉強に取り組めない人はFXに向いていないので、早々にやめた方がいいかもしれない(苦笑)。
まとめ
FXで圧倒的に学習効率を上げる勉強法は、単に他人に丁寧に分かりやすく説明するつもりでアウトプットすることだ。説明をしようと自分の考えを文章化する過程で、学んだことを更に落とし込めるのだ。
そして苦労してアウトプット(文章化や、トレードでの実践)して、一度しっかりと自分の中に落とし込めた概念や考えは、そう簡単に忘れることはなくなる。感覚としては子供の頃にやり込んでいた音ゲーや格ゲーの指使いを、大人になってからも意外なほど指が覚えてくれているのと似ている。
これでもかと自分の脳に染み込ませたことを、簡単に人間は捨て去ることが出来ない。勝つ姿勢を学んで、その姿勢を染み込ませて習慣化してしまえば、向上心のインフレスパイラルになる。
日頃からアウトプットを意識して来なかった人は、トレード日誌を付けて日誌に色々と思ったことを書き込んでみたり、無料ブログで日々の売買日誌や自分なりのマーケット観を文章化したりすることをおすすめします。特に負けている間はです。
以上、たったひとつの工夫で学習効率を圧倒的に高める勉強法でした。