彦根デザイン・カレッジ 荒神山キャンパス フォーラム 「里山里地との上手なつきあいかた」〜里山の再生を目指して〜を開催しました(2017.11.19)

国土のおよそ4割を占める里山里地。人の営みと多様な生態系が交わり形成されてきた山と村の境目であり、生物の多様性を保全する場として、豊かな自然を私たちの暮らしに役立てる場として、活用されてきました。
しかし、生活様式の変化、過疎化や高齢化により里山里地は荒廃し問題になっています。荒神山においても、有志の団体が定期的に山に入り整備をしていますが人手不足で追いつかず、獣害にも悩まされているのが現状です。

当日は天気が不安定な中での作業でしたが、午前中は予定通り里山整備作業、午後はフォーラムを行い、里山里地とのつきあいかたについて考える機会を持ちました。


タイトル:里山里地との上手なつきあいかた 〜里山の再生を目指して〜
日 時:2017年11月19日(日)
午前の部(里山整備):8:30〜11:30 午後の部(フォーラム):13:30〜16:45
場 所:ほほえみハウス(彦根市石寺町)
参加者:午前:28名 午後:40名
主 催:石寺振興会・総山管理委員会、下石寺まちづくり委員会、( 一社) まちづくり石寺、彦根デザイン・カレッジ荒神山キャンパス、荒神山ファンクラブ準備委員会

プログラム
■午前の部 荒神山環境整備活動
午前中は、荒神山の里山整備活動。
前日は雨の予報でしたが、天候が不安定ながらも作業を行うことができました。さ作業内容は指定した区画の下草刈り、中小径木の伐倒です。
30名弱で作業を行ったため、皆伐の区画を大きく拡張することができました。

途中から吉村先生らも合流し、
「中小径木は伐倒しすぎてはいけない」
「草を刈りつくし、生えてこなくなるくらい腐葉土を書き出す必要がある」
等の具体的な指導を受けながら作業を進めました。

 

■昼食
作業後、下石寺集落の公民館にて昼食。
地元のお母さん特製の肉じゃがと松茸ご飯に舌鼓を打ち、地域の方も交え、参加者同士で交流を深めました。

 

■午後の部 フォーラム
開会挨拶
午後からはフォーラムを開催し、開会挨拶として本学地域共生センター長 田端 克行より、開会挨拶がありました。
デザイン・カレッジの趣旨と、市民が主体となって活動してるぜひこの里山を次の世代に引き継いで欲しい、との思いを述べました。

基調講演
●基調講演:「里山林とマツタケ」
吉村 文彦氏 (京都大学農学博士・微生物生態学)

続いて、現在はまつたけ山復活させ隊の代表として、京都でマツタケを復活させた吉村文彦氏から基調講演をいただきました。
里山は『半自然』であり、人が手を入れないと機能せず、里山の保全は生物多様性の保全にもつながる。里山においてのマツタケの生活様式、マツタケの菌が感染するアカマツ林の現状、マツタケが生えるまでの過程にはまだまだ不明な点が多く、人工栽培が確率されていないこと等、里山の成り立ちからマツタケの生態について説明されました。
続けて、実践的な取り組みとして吉村先生が活動を続けている「まつたけ山復活させ隊」の取り組みについて紹介されました。2005年から草刈りや地掻きの活動を始め、10年目に初めてまつたけが生えたこと、現在の活動の様子を報告されました。
学術的な面と実践的な面から、里山里地とマツタケを取り巻く現状について丁寧に説明いただきました。

研究報告
続いて、本学環境科学部、生物資源管理学科 原田 英美子准教授とゼミ生2名からオオカナダモに関する研究報告がありました。
原田准教授は開催地である下石寺を調査対象地とし、オオカナダモのマンガン集積についての研究を進めており、定期的に下石寺で結果報告をされています。
当日は下記タイトルで3つの研究報告がありました。

●研究報告:「里山里地の生物資源―オオカナダモの金属集積性に着目した有効利用法の開発―」
原田 英美子(滋賀県立大学 環境科学部 生物資源管理学科 准教授)
●研究報告:「オオカナダモ付着微生物の酸化マンガン生成機構」
吉崎翔平 (滋賀県立大学 環境科学部 生物資源管理学科 4回生)
●研究報告:「DNAバーコーディング法による沈水植物の簡便な種判別法」
上坂瑞華 (滋賀県立大学 環境科学部 生物資源管理学科 4回生)

話題提供
次に、さがありました。FWⅡという授業で、イノシシの捕獲場所と、フンや掘り起こしなどのフィールドサインや植生等との関連性を調べ、調査結果を報告しました。地元からは、この調査の結果が荒神山のイノシシの獣害問題に一石を投じるきっかけになることが期待されています。

ワークショップ
「里山里地とのつきあいかた」というテーマで鵜飼修准教授進行の元、ワークショップを行いました。
吉村氏や登壇した教員、学生も交え4つのグループを作り、まずは「自分の好きなもの」というテーマで、KJ法によりグループわけをし、できたグループにキーワードをつけました。
次に、「出てきたキーワードの言葉を使い、里山とのつきあいかたを考える」というテーマが出され、各グループ和気藹々と、自分が里山でしたいこと、このようなコンテンツが里山にあれば良いかを考えました。
「里山で取れる食材食欲を満たし、アウトドアが好きな人が遊びたい」等、夢の膨らむ提案が出されました。

終わりの挨拶
(一社)まちづくり石寺理事 西川 時男氏より、これから荒神山を守り、後世に引き継いていきたい、と熱い思いを述べ、閉会の挨拶となりました。

今回のフォーラムは、参加者も多く、盛況のうちに終了することができました。
また、里山整備については、今一度作業を見つめ直す必要があります。
今後、彦根デザイン・カレッジ荒神山キャンパスは、地道ではありますが、引き続き里山整備作業を進めていきます。
また、COC事業後の展開も見据え、活動を推進していきます。

お越しいただいた参加者の方、登壇いただいた先生、学生方、ありがとうございました。