彦根デザイン・カレッジ「ワカモノが語る 移住のホンネ!〜暮らしと生業づくり〜」を開催しました(2017.3.18)

近年、荒神山周辺の地域でも少子高齢化が進行し、地域の活性化のためには若い世代の移住が求められています。一方で若い世代の間では、「地元回帰」ブームの兆候があり、Uターン・Iターンが増えつつあります。しかしながら、受け入れ先地域では移住者の受け入れ態勢の整備や、生業の創造が推進されていないのが現状です。

穏やかな晴天となった3月18日、滋賀に移住して来たワカモノをゲストに招き、暮らしと生業に関する「移住者のホンネ」をワカモノ視点で語っていただき、移住者が地域に求めているものや、受け入れ地域の課題について率直な意見交換を行う座談会を開催しました。

ワカモノが語る 移住のホンネ!〜暮らしと生業づくり〜
彦根デザイン・カレッジ 荒神山キャンパス 座談会/石寺未来戦略サロン

日 時:2017年3月18日(土)15:00〜17:30
場 所:ほほえみハウス(彦根市石寺町1283)
ゲスト:
安達 正史 (米原市・水源の里まいばら民藝創生みらいつくり隊員)
鈴木 達也 (まち遺産ネットひこね)
宮崎 瑛圭 (滋賀県立大学とよさと快蔵プロジェクト元代表/(株)プラネットリビングWARMS)
久野 実乃里 (滋賀県立大学学生/下石寺集落シェアハウス住民)
司会:久保 さゆり(彦根市地域おこし協力隊)
進行役:鵜飼 修(滋賀県立大学地域共生センター准教授)
参加者:26名
主 催:彦根デザイン・カレッジ荒神山キャンパス、一般社団法人まちづくり石寺
※地域人材育成拠点「彦根デザイン・カレッジ」は、荒神山を拠点に滋賀県立大学と彦根市、荒神山自然の家、荒神山山王会、荒神山を愛する仲間の会と協働し、人材育成・産業創造を目的に大学教育プログラムとの連携や、環境整備活動、フォーラム、ワークショップの開催などに取り組んでおります。

 

プログラム
開会挨拶
本学地域共生センター長 濱﨑 一志より、地域と大学の連携について、移住と生業をテーマにしてゲストの方々に赤裸々に語っていただきたい、という挨拶をいただきました。

 

移住者の活動紹介
ゲストである移住者の方々、司会からの自己紹介です。
安達 正史氏
島根県出身であり、服飾専門学校卒業後アパレル関係の仕事を経て、染色工房に就職。退職後、米原市・水源の里まいばら民藝創生みらいつくり隊員として2016年から滋賀県米原市の甲賀を拠点に草木染めの染色家として活動を行っています。実際に染色されたTシャツやストールをサンプルとしてお持ちいただきました。任期後も草木染めを生業として米原に住み続けたいとお話しいただきました。

鈴木 達也氏
1986年、彦根市生まれ。静岡大学を卒業し、現在は彦根市職員として働かれています。市民団体「まち遺産ネットひこね」でひこねの町歩きマップを制作し、まちあるきイベントの開催等の活動をされています。2016年に登録有形文化財の洋館を移築し、七曲りに住んでおられます。洋館を移築した経緯などを写真など交えながら紹介いただきました。

宮崎 瑛圭氏
滋賀生まれ滋賀育ち。滋賀県立大学の近江楽座とよさと快蔵プロジェクトの活動を機に豊郷と出会い、建築・デザイン・まちづくりをテーマとし、改修した空き家に住みながら学生生活を過ごされました。卒業後も豊郷に住み続け、彦根で設計事務所に勤務しておられます。自身がなぜ豊郷に居ついたのか、地域へ住みたい要因の一つとして「愛着」があり、地域に愛着が湧くことで、地域ゴトを自分ゴトにしてもらうことが大事ではないか、と移住に関する考えを交えお話いただきました。

久野 実乃里さん
草津市出身の滋賀県立大学の3回生。現在下石寺集落のシェアハウスに「エコ民家1号館」に住みながら、集落で暮らしています。本学での地域教育がきっかけでシェアハウスの存在を知り、入居を決めたそうです。自己紹介では下石寺集落の暮らしぶりや、下石寺で行なわれている活動について紹介いただきました。

久保 さゆり氏
本イベントで司会をされた久保氏も移住者ということで自己紹介を行いました。大阪府堺市出身で、大学時代を彦根で過ごし、その後大阪に就職し働いていましたが、身近だった自然が遠くなったこと、部活の手伝いで2か月に一度彦根に来ることで彦根に住みたいという思いが大きくなり、2016年10月から彦根市の地域おこし協力隊として彦根に移住されました。現在は移住促進事業に携わり、移住者と地域をつなぐ活動をしているとお話いただきました。

 


 

移住者のホンネ座談会
自己紹介後は、ゲスト4名による座談会です。ここからは、本学地域共生センター鵜飼 修准教授の進行のもと、ゲストのホンネを暴きます。
座談会では、鵜飼准教授より、
「なぜ今いる地域に来たのか」
「お金がなくても生業ができていれば暮らしていけるか?」「いくらあれば暮らしていけるか」
「暮らしている中で贅沢だ、と思った瞬間は何か」
「なぜ田舎の実家には戻らないのか」
「地域での愛は永遠か」
など、時折笑いも交えながら移住者のホンネに踏み込みました。

対してゲストの皆さんは、
「様々なご縁や巡り合わせで地域に来ることができた」
「ぶっちゃけお金は欲しい。そのために仕事や生業で生きていけるようになりたい」
「もともと都会で住んでいたので、地域のおばあちゃんたちとご飯を食べたり、おじいちゃんに釣りに連れて行ってもらったり、食べ物をいただいたり、自分の尺度ではとても贅沢に感じる」「琵琶湖の日によって変わる表情を見ている時や、晴れている日など無条件に幸せを感じる」
「ずっと住んでいたら地域での暮らしは嫌気がさすと思う。移住前の経験を持ち別の地域に入るのとでは感覚が違う。」「一度都会に出てみるべきではないか」
「地域への愛着や、いただいた恩は返したいという思いはあるが、ずっとそこに住み続けるか、と言われるとわからない」
など、暮らしと生業について赤裸々に語っていただきました。
参加者の皆様は相づちを打ちながら、熱心に話を聞いていました。

 

 

ワークショップ  受け入れ地域として必要なこと
本音を語っていただいたゲストの方と参加者がそれぞれ4グループに分かれ、
「どうしたら地域にワカモノが移住してくれるか」「そのためには何をする必要があるか」
をテーマにワークショップ形式の意見交換を行い、各グループ白熱したワークショップとなり、意見をまとめ上げました。

 


 

久野さんのグループからは、「暮らしの場としての地域」として、地域に仕事がある、子連れ、家族にとって住みやすい地域であることが大事ということと、お祭りや自治会で一体となり、楽しめるような雰囲気を地域が作ることが大事であるという意見が出ました。

 

鈴木氏のグループでは、移住者のニーズと、地域の情報はとのマッチングができる仕組み作りをすることが大切。そのためには、地域が積極的な情報発信や、お試し移住などをして地域と移住希望者が交流できる機会を作ることが必要ではないか、という意見が出ました。

 

宮崎氏のグループから、地域側として暮らしのルールやメリットを発信すべきであることと、特にメリットの一つとして安全面の確保をコミュニティの中での安全性をメリットとしてPRすべきではないか、そして、手弁当から少しずつ広げていくことが大切という意見が出ました。

 

安達氏のグループからは、移住者と受け入れ地域は対等であるべき。移住者側にも自治会、お祭りなど地域の習わしの中で生きて行く「覚悟」が必要であると述べました。具体的な案としては、集落単位で企業面接ならぬ集落面接などをして移住者を受け入れることが大切であるとの力強い意見が出ました。

 

閉会挨拶
(一社)まちづくり石寺理事 西川 時男氏より、自分たちの地域を自分たちで守るために、本日のイベントで出た意見、具体的には地域の魅力を掘り起こし、発信するようなことをまちづくり石寺、自治会含めて取り組んでいきたいと締めくくりました。

その後、ゲストも交えた懇親会を行い、夜がふけるまで語り尽くし、良い出会いの機会となりました。