近江楽士(地域学)副専攻「地域デザインA / 地域再生システム論・特論 おうみ学生未来塾湖東」を実施しました

本学は、全学・全学科対象の地域志向学習プログラムである「近江楽士(地域学)副 専攻」を設置しています。

8月、3日間の集中講座日程による「地域デザインA/地域再生システム論・特論」を開講しました。
この講座は、本学学生が受講する「近江楽士(地域学)副専攻」に位置付けられる 「地域デザインA/地域再生システム論」と、大学院および社会人による近江環人地域再生学座が受講する「近江環人地域再生学座」に位置付けられる「地域再生システム特論」の合同プログラムです。

今年度は「おうみ学生未来塾湖東」として、他大学との単位互換科目としても位置付け、本学学生のほか、立命館大学からも学生が参加しました。
「おうみ学生未来塾湖東」とは、「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」によるプログラムで、県内13大学と自治体等が協力し、地域で他大学の学生と一 緒に学び、交流する機会を提供しています。

学生らは、事前のワーク、現地の見学、ゲスト講師による講義を通して対象地域の課題を把握し、解決するための事業を提案をします。学座受講生は、コーディネーターとして活動の取りまとめや地域の方との調整を行います。
フィールドワークの活動場所は「地(知)の拠点整備事業」による連携市 長浜市・米原市・東近江市・近江八幡市より設定。各地域でまちづくりに携わる方に現地でのサポートをお願いしました。

地域デザインA/地域再生システム論・特論 おうみ学生未来塾湖東
日 時:2017年8月19日(金)、20日(土)、21日(日) 各9:00-18:00
場 所:滋賀県立大学A7棟教室 他
講 師: 滋賀県立大学地域共生センター准教授 鵜飼修、准教授 萩原和、 助教 上田洋平、客員准教授 森川稔
受講生:24名(近江環人地域再生学座生:4名 本学学生:16名、 立命館大学学生4名)

8月18日(金)
授業初日、まずは上田助教と近江環人学座生から受講生へ向けて、事業提案を行う対象地域の特徴、取り組み、課題の紹介がありました。この紹介を元に訪問地を決めるため、学生らは真剣に紹介を聞いていました。

次に希望に沿ってフィールドワークの訪問地を決め、4班に分かれ自己紹介を行った後、地域再生のイメージを具体化するため、まちづくりの成功例として全国的に有名である鹿児島県柳谷集落の「やねだん ー人口300人 ボーナスが出る集落」のドキュメンタリー映像を視聴し、その後グループごとに「まちづくりを成功させる条件」を映像の中から探し、「地域再生十ヶ条」としてまとめ上げ、メンバー全員が10か条を一つ一つ読み上げ発表しました。

次に、フィールドワークの前に地域課題の絞り込みと解決に向けた掘り下げを行う為、「マンダラート手法」を用いたワークを行いました。マンダラートとはアイデアを整理、具体化し、思考を深めるための発想法の一種です。3×3の9マス(マンダラ)を書き、中心のマスに掘り下げたい事柄を書き、周りのマスにそれに関する事柄を書きます。そして、周りのマスに書き出した事柄をまたマスの中心に据え、8つのマンダラを作り、それぞれのマンダラに関して周りのマスを埋めます。
本講座では中心のマスに各対象地域のテーマとなる課題を据え、それに関する課題を8つあげます。次に、その8つの課題に関して、1課題につき8つの解決案を提案し、マンダラートを完成させ、各班ごとに発表・共有しました。受講生たちはキーワードの抽出に苦戦しながらも、対象地域の課題やアイデアを深め、フィールドワークの際に行う地域の方への質問や、視察のポイントをまとめました。

8月19日(土)

授業2日目は下記4つの地域でフィールドワークを実施しました。1日目のワークでまとめたヒアリングや視察のポイントを踏まえ、”余所者”の目で地域に入りました。

1. 長浜市 木之本町
2. 米原市 醒ヶ井地区及び和カフェたち季
3. 東近江市 八日市中心市街地
4. 近江八幡市 安土町駅周辺エリア

それぞれの地域で、特性を知るためのまちあるき、地元の方へのヒアリングを通して、地域の状況をより詳しく把握し、提案に向けた議論を行いました。

エリアによっては、地元の名物をご馳走になった班もあったようです。

 

8月20日(日)

最終日、班ごとに2日目の成果を発表した後、ゲスト講師として観光課/コモンズ・デザイナー/社会実験者の陸奥賢氏を招き、特別レクチャーがありました。
まず、4人グループに分かれ、陸奥氏考案の「直感読みブックマーカー」ワークショップを行いました。

●直感読みブックマーカーの方法●
(1)参加者は本をそれぞれ持ち寄る。
(2)何か「問い」を決め、本を選んで「答えを教えてください」と祈る。問いは「愛とは何か」でも「私の最期の言葉は?」でも、何でも構わない。
(3)目を閉じて本を開き、適当なところを指さし、その文章を問いの「答え」とする。
(4)ブックマーカーに「問い」と「答え」を書き込む。
(5)これを見せ合って意見交換する。ブックマーカーは持ち帰ります。

ワークショップ後、陸奥氏より「直感力を磨いてほしい」「自分の世界以外の世界に触れ、他者の世界にアクセスすることで、自分の世界を広げるきっかけになる。自分を揺さぶり、変えるもの。そういうものにどんどん触れてほしい」とコメントをいただきました。

その後「”コモンズの刺激”と地域再生」をテーマに陸奥氏から講義を受けました。
コモンズとは、「共有地」のこと。日本におけるコモンズのあり方とその変遷を図を交えながらわかりやすく説明いただき、現代においては、コミュニティーだけでなく、コモンズのデザイン、つまり「他者」のための場所作りも必要であると述べました。

講義後は地域ごとのグループに分かれ、模造紙に提案する事業をまとめました。
各グループ、限られた時間の中で必死に案をまとめ時間内に全てのグループが模造紙を完成させました。

授業終盤、地元でお世話になった方々、市で担当してくださった方も駆けつけ、集中講座の成果発表が行われました。
1. 長浜市 木之本町 「げんきのもとプロジェクト」
2. 米原市 醒ヶ井地区及び和カフェたち季 「異日常交流之場醒ヶ井」
3. 東近江市 八日市中心市街地 「すただin本町商店街」
4. 近江八幡市 安土町駅周辺エリア 「シン・ノブナガ」

短いフィールドワークの時間にもかかわらず、各地域の特性を捉え、学生ならではの視点を加えたアイデアが並びました。発表後には、地元の方から「ぜひ一緒に活動してほしい」等のコメントをいただき、最後に陸奥氏と担当教員からの講評をいただきました。

タイトな日程での科目でしたが、提案の地域還元、また再度の現地訪問などで地域とのつながりを深めてもらいたい、と教員からも呼びかけを行いました。
お忙しい日程の中、本プログラムへご協力いただきました地域の皆様、関係者の皆様へ改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。