近江楽士(地域学)副専攻「地域デザインA / 地域再生システム論・特論」を実施しました

本学は、全学・全学科対象の地域志向学習プログラムである「近江楽士(地域学)副 専攻」を設置しています。 9月下旬、3日間の集中講座日程による「地域デザインA/地域再生システム論・特論」を開講しました。
この講座は、本学学生が受講する「近江楽士(地域学)副専攻」に位置付けられる 「地域デザインA/地域再生システム論」と、大学院および社会人による近江環人地域再生学座が受講する「近江環人地域再生学座」に位置付けられる「地域再生システム特論」の合同プログラムです。
学生らは、フィールドワークなどを通して対象地域の課題を把握し、それを解決するための提案をします。近江環人地域再生学座受講生は、学生らのフィールドでの活動や提案とりまとめをコーディネートします。
フィールドワークの活動場所は「地(知)の拠点整備事業」による連携市 長浜市・近江八幡市・米原市・多賀町より提案をいただき設定。特論受講生が地域の方などと調整を進めました。

地域デザインA/地域再生システム論・特論
日 時:2016年9月17日(土)、18日(日)/ 19日(月・祝)、24日(土) 各9:00-18:00
場 所:滋賀県立大学A7棟教室
講 師: 滋賀県立大学地域共生センター准教授 鵜飼修、准教授 萩原和、 助教 上田洋平、客員准教授 森川稔
受講生:25名(近江環人地域再生学座生:9名 学生:16名)

9月17日
授業初日、まずは特論受講生から16名の受講学生へ向けて、対象地域の特徴、現在行われている取り組み、課題の紹介がありました。この紹介を元に訪問地を決めるため、受講学生は真剣なまなざしで聞いていました。次に訪問地を決め、4班に分かれた後、地域再生のイメージを具体化するため、まちづくりの成功例として全国的に有名である鹿児島県柳谷集落の「やねだん ー人口300人 ボーナスが出る集落」のドキュメンタリー映像を視聴しながら、グループごとに「まちづくりを成功させるための10か条」をまとめ上げ、メンバー全員が10か条を読み上げながら発表しました。

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次に、各訪問地の課題解決提案に向け、フィールドワークの前に地域課題を深めるため、「マンダラート手法」を用いたワークを行いました。マンダラートとはアイデアを整理、具体化し、思考を深めるための発想法の一種です。3×3の9マス(マンダラ)を書き、中心のマスに掘り下げたい事柄を書き、周りのマスにそれに関する事柄を書きます。そして、周りのマスに書き出した事柄をまたマスの中心に据え、8つのマンダラを作り、それぞれのマンダラに関して周りのマスを埋めます。
本講座では中心のマスに各対象地域のテーマとなる課題を据え、それに関する課題を8つあげます。次に、その8つの課題に関して、1課題につき8つの解決案を提案し、マンダラートを完成させ、各班ごとに発表・共有しました。受講生たちはキーワードの抽出に苦戦しながらも、対象地域の課題やアイデアを深め、地域課題に対する具体的な問いであるリサーチクエスチョンを設定し、フィールドワークに備えました。

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9月18日/ 19日
授業2日目は下記4つの地域でフィールドワークを実施しました。1日目のワークを踏まえ、対象地域課題に対するリサーチクエスチョンをもとに、”余所者”の目で地域に入りました。

1. 長浜市 七条
2. 近江八幡市 常楽寺
3. 米原市 醒ケ井養鱒場及び上丹生
4. 多賀町 水谷

それぞれの地域で、特性を知るためのまちあるき、キーパーソンや地元の方へのヒアリングを通して、地域の状況をより詳しく把握しました。
それらの成果やそれぞれの体験をもとに提案に向けた議論を行い、最終日の成果発表に向けて課題と提案を掘り下げました。

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9月24日
最終日、班ごとに考えを共有し、いよいよ地域課題のための提案を落とし込みます。
アプローチする課題を絞り、地域の資源を活用し、解決につながる提案作りに、各グループで熱心に議論が交されました。
午後からは、特別講師にgraf代表・滋賀県ブランディングディレクターの服部滋樹氏をお迎えし、「地域のめぐみをMUSUBU SHIGA」というテーマでご講義を伺いました。
grafというものづくり集団を立ち上げたきっかけや、今はモノだけをデザインするだけではなく、モノとコトを作る時代が来ているという考えなど、地域をブランディングするにあたっての示唆をいただきました。

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授業終盤、地元でお世話になった方々、市で担当してくださった方も駆けつけ、集中講座の成果発表が行われました。
・保健師、ハンター、学生を巻き込むイベントを通した動物と人間の共生、住民と学生と行政の三方よしに関する提案 (水谷)
・上丹生の空き家を活用し、醒ケ井のマスを食べてもらう民泊などの取り組みに関する提案 (醒ケ井養鱒場及び上丹生)
・世代を超えた交流のきっかけになる場をつくる提案 (七条)
・「佐々木」姓ブランドの確立に関する提案 (常楽寺)

短いフィールドワークの時間にもかかわらず、各地域の特性を捉え、学生ならではの視点を加えたアイデアが並びました。
学生等は各グループのプレゼンを聞いて、独創性や実現可能性などを評価。もっとも総合得点が高かったものに投票し、全員からの評価を把握しました。

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各工程を終え、服部氏と担当教員からの講評をいただきました。
タイトな日程での科目でしたが、提案の地域還元、また再度の現地訪問などで地域とのつながりを深めてもらいたい、と教員からも呼びかけを行いました。
お忙しい日程の中、本プログラムへご協力いただきました地域の皆様、関係者の皆様へ改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。